モモとジジ 7
二人の生命はお互いに影を見て、それを現実の世界に求めたことから、限りあるものとなってしまいました。
しかし、ジジによれば、この鏡は一人でのぞきこめば自分の影をうつしてしまうことで、死ぬ運命となるのです。
二人してのぞけば、また死なないことになるのだそうです。
なぜなら、男女は相互の影を補い合って、再び完全なイメージとなるからでしょう。
ユング心理学では、このような男女のペアのイメージをシュズユギュイとよんで、永遠の生命であり、完全であり、月のような黄金のきめらきを示す元型であるといいます。
モモは永遠の少女です。
しかし、この世で生きる限り、モモもまた時間の制約を受ける一人の生きた少女です。
モモは人々の間ではきらめく永遠の少女の片鱗を見せるけれども、彼女自身は自分の出身を忘れた淋しがりやの少女でしかありません。
しかし、すてきな王子さまにめぐり合った時、再び本来の永遠性をとり戻し、永遠の瞬間に生きることを思いだすのです。
それはモモだけではなく、誰もが体験することができる一対の男女のイメージの持つ永遠性です。